今回は、受験勉強の長期計画の立て方について書きたいと思います。
受験勉強計画の立て方
受験科目には習得に時間がかかるものとそうでないものがある
受験科目には、次の2種類があります。
「理解型の科目」(英語や国語、数学等)
知識がゼロでも「暗記型の科目」は、
単純に暗記をしていくだけ良いので、
勉強結果を簡単に得点に結びつけることができます。
一方、入試で合格点を取るために課題となるのは、「理解型の科目」です。
理解型科目は
勉強結果を得点に反映するためには、下記2段階を必要です。
・ステップ2:覚えた知識をいかに使うか身につける
覚えるだけでなく、「覚えた知識を活かしていくこと」への慣れが必要なのです。
このため、「暗記型の科目」と比べると、勉強した結果が得点に反映されるのに時間がかかります。
勉強ができる人とそうでない人の違い
勉強が得意な人は、ステップ2からスタートしますが、
勉強が苦手な人やゼロから始める人は、ステップ1からスタートすることになります。
コツコツと必要な知識を暗記していくという準備が必要なのです。
これが、勉強が苦手な人が勉強の成果がなかなか出ない原因であり、
また、勉強のできる人が効率的な勉強をやっているように見える原因でもあります。
無勉の人と勉強が苦手な普通の受験生の違い
まだ終わりではありません。
実は、先ほどのステップ1は次のようにさらに2つにわかれるのです。
私のようにゼロ(無勉)から始める人はここからスタート
・第二段階:整理されていないが知識はある
勉強の苦手な高校生はここからスタート
第二段階の人は、知識自体はあるのであとはそれを頭の中で整理するだけです。
どんなに勉強ができない人でも、授業で何となく聞いた単語が頭に残っていたり、テストのために一夜漬けをした知識があります。
でも、私のように、ほぼ学校に通っていない人=知識ゼロの人は全てを覚えることから始めなければなりません。
このように、一言に勉強の苦手な人といっても、知識がある人とゼロから勉強始める人で、大きな差があります。
たとえ見かけ上の成績が同じであってもです。
だから、合格体験記等で
「おちこぼれから半年間猛勉強して○○大合格しました」というようなものがありますが、
ゼロから勉強をする人は「知識がある勉強が苦手な人」との差を差し引いて読む必要があります。
また、ゼロから勉強を始めた人は、周囲の勉強ができなかった人が伸びていく中、
全然結果が出ないので「自分は頭が悪いんじゃないだろうか」と思うことがあります。
しかし、それは頭が悪いのではなくて、ただ人よりやるべきことが多いというだけです。
勉強が苦手な人、とりわけ昔の私のように高校で学ぶべきことがスッポリと抜けている人は、
勉強時間をとにかく増やすようにしてください。質より量です。
覚えるべきことが多いこともありますが、勉強というものに慣れるために時間が必要だからです。
「効率が良くやろう」という頭の声が聞こえたら、無視しましょう。
最初のうちは、質より量です。
では、私が受験勉強の長期計画をどんな風に立てていったかを書いていきます。
私の受験勉強計画
基本方針:習得に時間がかかる科目を前半に、時間がかからない科目を後半に重点的にやる
先に書きましたが、受験科目には、時間がかかるものとそうでないものがあります。
時間がかからない:暗記型の科目の日本史、生物、地学等
このため、習得に時間がかかる理解型の科目を前半に、時間がかからない暗記型の科目を後半に重点的にやるのがポイントです。
私は次のようなスケジュールでやりました。
予備校入学前:理解型科目の英語と数学の準備に100%の力を注ぐ
予備校の授業は、高校で学んだことを前提にすすめられます。
だから、授業で何を言っているのか全く理解できないという状況を避けるため、次のような勉強をしていました。
・数学:公式の暗記、教科書レベルの問題の習得
この頃の勉強法は、ゼロからの英語勉強法という記事に書いています。
4月~6月:理解型科目の英語と数学に90%の力を注ぐ
予備校入学後は、予備校生として予習と復習はベストを尽くしつつ、
それとは別に、毎日宅浪生並みの勉強をすることを目標をして勉強をしていました。
独学でやっていたのは、授業を受けて自分に足りないと思った次のようなことです。
・数学:公式の暗記、教科書レベルの問題の習得
夏休み:未着手の理解型科目「古文」に80%の力を注ぐ+英語の速読の練習
東大受験を諦めたので、数学の勉強に費やしていた時間がフリーになりました。
ただ、それまで英語と数学にばかり勉強を時間をとられていたので、理解型科目である古文の勉強が全くできていませんでした。
そこで、夏休みには次のことをやりました。
夏期講習で、古文読解の講座をとった他、参考書や問題集を使って一人でどんどん勉強を続けていきました。
この頃の勉強法は、ゼロからの古文勉強法という記事に書いています。
また、この頃は英語読解のスピードが課題になっていました。
時間をかければ、正確に読めるのですが、本番の時間内に解くにはまだまだ遅いのです。
ですから、英語速読を取得する問題集を数冊やりました。
この頃の勉強については、「Q.どうして英語の速読のトレーニングが必要なのですか?」という記事に書いてます。
9月~10月:暗記科目日本史に60%の力を注ぐ
それまで、日本史の勉強は全くやっていないわけではありませんでした。
予備校の授業の進度に合わせて、学んだことはその場できっちり覚えるようにしていました。
が、志望校に合格するにはまだまだ知識が足りないという状況です。
既に、英語と国語がかなり成績が上がってきていたので、日本史に100%の力を注ぎたいところですが、英語と国語のレベルを維持するための勉強時間を確保しなければなりません。
そこで、日本史には60%の力を使って次のことをやりました
この頃の勉強法は、ゼロからの日本史勉強法という記事に書いています。
11月~12月:模試を受けまくる・受験テクニック習得
本番慣れするために、模試を受けまくりました。
この頃、自分の課題になっていたのは試験の時間内に問題を解き終えるということです。
そこで、次のようなことを行っていました。
模試で時間配分の練習:設問毎に制限時間をきめ、時間内に問題を解き終える練習
さらに、試験で問題を解く時間を短縮するために次のようなことも習得しました。
・選択肢だけをみて正解を導き出すテクニック
後者は、「本文を読まずに本番で選択肢だけを見て回答する」ということは、
本番ではしなかったのですが次のようなことを知ることに役立ちました。
・出題者が受験生をどうやって引っかけようとしているのか
・本文中にどんな根拠を探しにいけばよいのか
1月~2月:本番
入試が始まってからは次のようなことをやっていました。
・過去問や模試を使って時間配分の練習
さらに、実際に受験をした入試で「わからないこと」や「忘れていたこと」を見つけたら、
次回からは正解できるようにその日のうちに復習するようにしていました。
以上のような計画をたてて、勉強をしました。
これは、最初からこのような計画になっていたのではなく、実際に勉強をしてみて自分に足りない部分を修正していった結果このようになった感じです。
計画を立てる際、一番重要なポイントは、「習得に時間がかかる科目を前半に、時間がかからない科目を後半に重点的にやる」ということです。